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継母と同じ戸籍でも法定相続人ではなかった|養子縁組をしておらず相続手続きで問題になった事例

2026.09.13

父親の再婚相手を実の母のように思い、長年一緒に暮らしていても、法律上の親子関係が成立しているとは限りません。今回ご紹介するのは、父親の後妻と同じ戸籍に入っていたため親子だと信じていたものの、後妻の死亡後、養子縁組をしておらず法定相続人ではないことが分かった事例です。再婚家庭では、養子縁組や遺言の有無が、その後の相続を大きく左右することがあります。

ご相談の背景

ご相談者様は、実のお母様を早くに亡くされ、その後、お父様が再婚しました。ご相談者様が幼いころから、後妻さんとは実の母親と子どものように一緒に生活していました。

その後、お父様が亡くなってからも後妻さんとの同居を続け、ご相談者様は後妻さんが亡くなるまで面倒をみていました。

ご相談者様が結婚する際、自分の戸籍を確認したことがありました。その戸籍では、お父様を筆頭者として、後妻さんとご相談者様が同じ戸籍に入っていました。

そのためご相談者様は、「同じ戸籍に入っているのだから、法律上も母と子の関係になっている」と考え、後妻さんとの養子縁組が必要だとは認識していませんでした。

また、お父様の死亡後に実家を建て替えた際には、同居する後妻さんが肩身の狭い思いをしないようにという配慮もあり、建物をご相談者様と後妻さんの共有名義にしていました。

ご相談時の課題

1.同じ戸籍に入っていても、養子縁組がされていなかった

後妻さんが亡くなり、ご相談者様は母親の相続として、後妻さん名義の不動産の名義変更や預貯金の解約を進めようとしました。

しかし、そこで問題になったのが養子縁組の有無でした。

ご相談者様と後妻さんとの間では養子縁組がされておらず、法律上の親子関係は成立していませんでした。同じ戸籍に記載されていることだけで、新しい配偶者とその連れ子との間に法律上の親子関係が生じるわけではありません。

2.長年親子として暮らしていても、当然に相続人になるわけではない

ご相談者様は幼いころから後妻さんと生活し、お父様の死亡後も同居を続け、後妻さんが亡くなるまで面倒をみていました。

しかし、実際にどのような家族関係で暮らしてきたかと、法律上の相続人に当たるかどうかは別の問題です。

養子縁組によって法律上の親子関係が成立すれば、養子は養親の相続人になります。一方、養子縁組をしていない場合、父親の再婚相手とその子との間に、親子としての相続権が当然に生じるわけではありません。

3.後妻さんの本来の相続人を確認する必要が生じた

ご相談者様が後妻さんの法定相続人ではない以上、後妻さん名義の財産について、ご相談者様が「子」としてそのまま相続手続きを進めることはできません。

そのため、後妻さんの戸籍を確認し、法律上の相続人が誰なのかを調査する必要が生じます。

一般に、亡くなった方に子や直系尊属がいない場合には、兄弟姉妹が相続人となることがあります。また、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、その子である甥・姪が相続人となる場合があります。実際に誰が相続人になるかは、戸籍をたどって確認しなければ分かりません。

相続関係を確認して分かったこと

今回の事例では、後妻さんの死亡後に相続手続きを始めようとした段階で、ご相談者様と後妻さんとの間に養子縁組がなく、ご相談者様が後妻さんの法定相続人ではないことが分かりました。

そのため、後妻さん名義の不動産や預貯金については、ご相談者様が子として当然に承継することを前提とした手続きはできません。

このようなケースでは、まず亡くなった方の戸籍をたどって法定相続人を確定し、そのうえで必要な相続手続きを検討していくことになります。相続人が兄弟姉妹や甥・姪などに広がる場合には、これまで面識のなかった親族が相続人として判明することもあります。

ご相談者様は、後妻さんと長年親子として生活し、同じ戸籍にも入っていたことから、法律上も親子であると考えていました。

しかし、相続の場面では養子縁組がされていないことが問題となり、ご相談者様は後妻さんの子として法定相続人にはならないことが判明しました。

この事例は、家族としてどれほど長く生活してきたかだけではなく、法律上の親子関係がどのようになっているかを生前に確認しておくことの重要性を示すケースです。

今回の事例のポイント

再婚家庭では、「同じ家で長年暮らしている」「実の親子と同じような関係である」「同じ戸籍に入っている」といった事情から、法律上も当然に親子であると思ってしまうことがあります。しかし、再婚相手の子と法律上の親子になるためには、養子縁組が重要になります。

また、養子縁組をしない場合でも、遺言によって相続人ではない人に財産を遺贈する方法があります。今回のような事情で特定の人に財産を残したい場合には、生前のうちに家族関係と戸籍を確認し、養子縁組や遺言など、希望に合った方法を検討しておくことが大切です。

相続が発生してから初めて親子関係や相続人の範囲に気付くと、想定していなかった親族を探す必要が生じることがあります。再婚家庭では、元気なうちに一度、相続関係を確認しておくと安心です。

所沢で継母・後妻との相続関係にお困りの方へ

相続手続きの流れを見る

次のようなお悩みがある場合は、相続が発生する前後を問わず、早めに相続関係を確認することをおすすめします。

  • 父や母の再婚相手と養子縁組をしているか分からない
  • 同じ戸籍に入っているので相続人になれると思っていた
  • 亡くなった方の兄弟姉妹や甥・姪など、相続人が誰なのか分からない

相続手続きでは、普段の家族関係と法律上の相続関係が一致しないことがあります。相続人が分からない場合には、戸籍をたどって確認することが第一歩です。

所沢相続遺言サポート窓口では、相続人調査や相続手続き、生前の遺言などについてご相談いただけます。このようなお悩みがある場合は、まずはご相談ください。

この記事の執筆者
むさしの相続行政書士事務所 代表 宮野敦子
保有資格社会保険労務士/行政書士
専門分野相続手続き・遺言作成・生前対策
経歴2003年 社会保険労務士試験合格/2019年 武蔵野合同法律事務所入所/2020年 行政書士試験合格・登録
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