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ケース別でみる生命保険金の請求と注意点

被相続人が、自分を被保険者とした生命保険金については、受取人がどのように指定されているのかで分けて考える必要があります。

以下のケースを参考にしてください。

ケース1 保険金の受取人として「相続人」が指定されているケース

被相続人が「相続人」の誰かを受取人に指定していた場合は、生命保険金請求権は受取人に指定された者の固有の権利であり、相続財産には含まれません。

但し、受取額が高額になる場合には、特別受益として考慮される可能性もあります。

ケース2 保険金の受取人として「被相続人(死亡した人)」が指定されているケース

被相続人が自分自身を受取人として契約していた場合は、まず、満期保険金(養老保険や学資保険などの貯蓄性のある保険において、被保険者が満期時まで生存して満期を迎えることにより受け取ることのできる保険金)は、保険契約の効力発生と同時に被相続人の財産となるため、満期後、被相続人が死亡すれば、被相続人の相続財産に含まれます。

一方、保険事故による保険金請求権は、保険契約者の意思を合理的に解釈すれば、相続人を受取人に指定する黙示の意思表示があったと考えるべきであり、被相続人死亡の場合、相続人の固有の権利となります。

ケース3 保険金の受取人を指定しなかったケース

保険金受取人を指定しなかった場合は、保険約款の規定にしたがって判断することになりますが、保険約款には、相続人に支払う旨の定めがあり、ケース1と同様になるのが通常です。

生命保険金を請求する際に必要な書類

生命保険金を請求する際に必要な書類は下記の通りです。

・保険金請求書(保険会社所定の書式)
・保険証券
・死亡診断書(または死体検案書)
・被保険者の住民票(または戸籍謄本)
・保険金受取人の戸籍謄本
・保険金受取人の印鑑証明書
・災害事故証明書、交通事故証明書(死亡原因が災害・事故による場合)

※必要書類は、各保険会社によって異なりますので、事前にご確認ください。

この記事の執筆者
むさしの相続法務事務所・武蔵野経営法律事務所 代表 加藤 剛毅
保有資格弁護士 埼玉弁護士会 第31907号
専門分野相続案件・不動産案件・中小企業法務
経歴2002年 司法試験合格/2014年 さいたま家庭裁判所家事調停官任官就任/2018年 当事務所開設
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